ルリスタン・ブロンズ 青銅器を買取させて頂きました。

20世紀半ば、北西イランの山岳地帯ルリスタン地方で忽然として現れた特殊な青銅器のこと。組織的な発掘がなされる以前に現地住民の手により発見されたため学術的な調査を経たものはなく正確な製作者もわかっていない。しかし興亡する種々の民族美術を背景に生まれてきたこの遺宝は、後のペルシア美術をも凌ぐ異形のデザインといえる。

出土品の多くは古墓や神祠から発見されており闘斧や剣などの武具、車馬具、装身具など。ルリスタン青銅器の大部分は紀元前8〜7世紀にかけて製造されたものと推測されており、その多くはすぐれた動物意匠で装飾されている。

類似品はイランのアゼルバイジャンやマーザンダラーン、ギーラーンなどでも発見されている。

ルリスタン・ブロンズは左右対称で二種の動物を組み合わせたパターンの造形の物がスタンダードといえる。これはメソポタミア美術の影響を色濃く受けて製造されたと考えられている。

ルリスタンの動物のデザインは非常にユニークでこの時代の宗教と密接な関係にあったと思われ、ペルシア美術に流れる力強い情念が異常な迫力で迫ってくるようである。