藤島武二

ふじしまたけじ

Fujishima Takeji

1867年〜1943年

鹿児島市

作家・作品ジャンル

画家

藤島武二／洋画家
　中学時代から日本画を学び、上京して川端玉章の門に入る。のち洋画に転じ、曽山幸彦、中丸精十郎、松岡壽、山本芳翠に師事。1896年、白馬会会員、東京美術学校西洋画科助教授となる。1905年、文部省の留学生として渡仏、代表作『黒扇』（重文）を制作。帰国後は東京学校教授として後進の指導に尽力。1937年、第1回文化勲章を受賞。

History

1867年: 　鹿児島市に生まれる。鹿児島藩士・藤島賢方の三男。幼名、猶熊。

1882年: 　小学校卒業後、鹿児島県立鹿児島中学校（造士館）に入学。1884年まで在学し、その間に四条派・平山東岳について日本画を学ぶ。

1884年: 　第2回内国絵画共進会に『漁樵問答』『南天に鳥』を出品。「芳洲」と号する。; 　絵画修行を志し、上京する。

1885年: 　川端玉章の門に入り、「玉堂」と号して日本画を描く。; 　日本美術協会に2回作品を出品し、受賞。

1886年: 　東京仏語学校に入学。1888年まで在学する。

1887年: 　東洋絵画共進会に『設色美人図』を出品、1等褒状を受ける。

1889年: 　青年絵画共進会に『美人図』を出品、褒状を受ける。

1890年: 　鹿児島出身の洋画家・曽山幸彦について洋風画を学ぶ。その後、1893年までの間に中丸精十郎、松岡壽、山本芳翠に師事する。

1891年: 　明治美術会会員となり第3回展に油絵処女作『無惨』を出品、優秀賞として認められる。

1892年: 　同会第4回展に『福神』『上代婦人』を出品。

1893年: 　同会第5回展に『桜狩』を出品。『桜狩』は米国市俄古閣竜万国博覧会出品予定の大作であり、初期の代表作。(1923年の関東大震災で焼失)

1895年: 　第4回内国勧業博覧会に『御裳濯川図』を出品、褒賞を受ける。; 　明治美術会第7回展に『少女』『一竿風月』『風景』を出品。

1896年: 　黒田清輝を中心とする白馬会が結成され、会員となる。その後、毎年同展覧会に発表して画名を高める。代表作は、『池畔納涼』（第2回）、『池畔』（第3回）、『天平の面影』（第7回）、『諧音』（第8回）、『蝶』（第9回）など。; 　東京美術学校に西洋画科が新設され、助教授として上京。逝去まで、後進の指導に尽力した。

1900年: 　パリ万国博覧会に『池畔』を出品。

1905年: 　文部省より絵画研究を目的に4年間、フランス、イタリアへの留学を命じられ、渡仏。

1906年: 　グラン・シヨーミエールに入学。次いで国立美術学校に入学し、歴史・肖像画家のフェルナン・コルモンに師事。

1908年: 　パリからイタリア・ローマに移り、コルモン教授の紹介で在ローマ・フランス国立美術学院長カロリュス・デュランの門で学ぶ。; 　留学中に代表作『黒扇』（重要文化財・ブリヂストン美術館蔵）など、多数制作。『黒扇』は藤島の優れた描写力を示した名作で、白いヴェールと、頭髪や手に持つ扇の黒の対比が鮮やかで美しい。

1910年: 　4年間の留学を終えて帰国。; 　第2回東京美術乃美術工芸展の審査員を嘱託される。; 　白馬会第13回展覧会では、滞欧作27点を発表。その新鮮なる画風によって多大の感銘を与え、東京美術学校教授に任ぜられる。

1911年: 　第5回文部省美術展覧会に滞欧作『幸ある朝』『池』を出品。

1912年: 　第6回文展に『公園の一隅』を出品。; 　岡田三郎助と協力して本郷春木町に本郷洋画研究所を創立。

1913年: 　小石川区春日町の川端絵画研究所に洋画部が設置され、本郷洋画研究所は岡田三郎助に委ね、同洋画部の指導者となる。; 　第7回文展に日本女性を描いた『うつつ』を出品し、3等賞を受賞。人物画（女性図）への転機となる。

1914年: 　東京大正博覧会美術審査員に任命される。; 　サンフランシスコ万国博覧会鑑査官に任命される。

1915年: 　第9回文展に『空』『匂ひ』を出品。

1919年: 　文展審査委員会官制が廃止。帝国美術院美術展が規定され、審査委員に任命される。

1920年: 　帝国美術院美術展審査委員に任命される（以降、1922年まで）。

1924年: 　第5回帝展に『東洋振り』『アマゾーヌ』を出品。; 　帝国美術院会員に任命される。

1925年: 　フランス共和国政府より、オフィシェ・ド・ランストリュクション・ビュブリック記章を贈与される。

1928年: 　多年にわたり教育に従事した功績で文部大臣より表彰される。

1935年: 　改革された帝国美術院の会員となる。

1936年: 　第1回新制作派協会展に『大洗』『室戸岬燈台』『日の出』『朝陽』『蕃女』を特別陳列する。

1937年: 　文化勲章を拝受。帝国芸術院会員となる。; 　第2回新制作派協会展に『五剣山』『北国の春』を特別出品。

1938年: 　第2回文展に、最晩年の傑作『耕到天』（大原美術館蔵）を出品。「耕到天勤勉哉　耕連空是貧哉」ー瀬戸内海をはじめ、日本特有の段々畠を見て、二人の中国人が評したという言葉ーから発想を得て描かれたこの絵は、戦時下という時代の風潮に影響されているとはいえ、藤島の内に燃え続けてきた明治の人らしい愛国の情と、装飾性への情熱が伺える。生涯の最後に近づいて完成した、独自の詩情と気迫が感じられる力強い作品。; 　文展審査員となる。

1939年: 　ニューヨーク万国博覧会出品展示会に『東海旭光』を出品。

1940年: 　紀元2600年奉祝美術展に『蒙古高原』を出品。; 　第5回新制作派協会展に『風景（日の出）』などを特別出品。

1941年: 　病に臥せる。

1942年: 　第7回新制作派協会展に滞欧作16点を特別出品。; 　日本橋三越にて藤島武二作品鑑賞会に明治36年作『蝶』から昭和15年作『犬吠岬の燈台』に至る代表作58点を出品。; 　青山墓地に自ら墓地を建立する。

1943年: 　脳溢血により76年の生涯を閉じる。この逝去にあたり、従三位を贈られる。

あい古物買取サービスでは
骨董品、古道具、美術品、コレクション品の
出張買取をしています。

京都、滋賀、奈良、大阪、兵庫、三重、岐阜、愛知、福井を中心に、ご自宅まで出張査定にお伺い致します。※ 良品は全国出張買い取り可能です。

どんな些細な事でもかまいませんのでまずは一度お電話にてご相談下さい。

あい古物買取サービスでは骨董品や古道具のリサイクルを通して、古い文化を次世代に残し伝えるとともに、微力ながら持続・再生可能な社会作りに貢献したいと考え活動しています。