熊谷守一の版画を買取させて頂きました。

お譲りいただいた版画集は熊谷様式ともいわれるはっきりとした輪郭線と色鮮やかな色彩を特徴とする晩年の作品集です。

熊谷の版画は日本の美術史においてフォービズムの画家と位置づけられております。

晩年の数十年間、東京の自宅からほぼ出ずに生活していたことで知られ、画壇の仙人という異名をもっています。

2018年にはモリのいる場所という映画にもなっており、お譲り頂いたのも何かの縁だと思いこの映画を拝見させていただきました。 その中の1シーンで熊谷守一が切株にじっと視線を送り『蟻は歩き出すときに前から二番目の足から動く』と話すシーンがあり、そこまで自然や生き物を観察していたからこそ「雨滴」のような作品が生まれたんだと驚きました。

貴重な品々をあい古物買取サービスにご売却頂き本当にありがとうございました。お譲り頂いた品々は必要とされている方に確実に引き継ぎさせて頂きます。

熊谷守一　略歴

1880年　岐阜県恵那郡付知村(現 中津川市付知町)に生まれる。

1898年　共立美術学館入学。

1900年東京美術学校(現東京芸術大学)西洋画科に入学。

1909年　第３回文部省美術展覧会に〈蝋燭〉を出品、褒状を受ける。

1910年　実母の死を機に故郷へ戻る。

1916年　再び上京して第3回二科会展に出品、二科会会員に推挙される。

1922年　42歳で18歳下の大江秀子（1898-1984）と結婚。

1929年　二科会の番衆技塾開設に際し参加。後進の指導に当たった。

1932年　豊島区長崎町(現千早)に移り住み、生涯にわたりここで生活する。

1964年 日本各地で数多く個展が開かれるようになる。さらにパリで個展を開催。

1967年　文化勲章を辞退する。

1977年　8月1日死去　享年97歳