村上隆

むらかみたかし

Murakami Takashi

1962年〜

東京都板橋区

作家・作品ジャンル

村上隆／アーティスト、キュレーター、コレクター、映画監督、有限会社カイカイキキ創業者
　東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。日本画科初の博士号を修得。オタクカルチャーやキャラクターと日本の美術史を接続し、『スーパーフラット』概念を発明。ルイ・ヴィトンとのコレボレーションも話題に。ゆずのCD、カニエ・ウェストのアルバムジャケットをデザインするなど、ファッション界や音楽界など活躍の幅は多岐にわたる。

History

1962年: 　東京都板橋区に生まれる。

1981年: 　東京藝術大学美術学部日本画科入学。; 　大学2年時から立川美術学院の講師を務める。

1986年: 　学部（日本画科）卒業後、同大学大学院美術研究科修士課程入学。

1987年: 　「大竹伸朗 1984-1987」（佐賀町エギジビット・スペース、東京）を見て衝撃を受け、現代美術の世界に進むことを決意。

1988年: 　修士課程修了後、同大学院博士課程に進学。

1991年: 　博士課程研究発表展にて田宮模型を使った『ポリリズム』、日本画の大画面作品『カラーズ』を発表。; 　個展「賛成の反対なのだ」（東京・細見画廊）にて、ワシントン条約で捕獲を禁止された動物の毛皮を使用した『ランドセル・プロジェクト』、『天才バカボン』のキャラクターを用いた『バカボン・プロジェクト』を展示。

1992年: 　「中原浩大展」（東京・佐谷画廊）で、アニメフィギュアを使った作品を見て、「オタクとは何か」という命題と向き合うようになる。

1993年: 　東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程終了、論文『意味の無意味の意味』で日本画科初の博士号を修得。; 　ギャラリーセラー（東京）での個展準備中に、様々なキャラクターを合体させた『DOB君』（本名：ドボシテドボシテオシャマンベ）が誕生。

1994年: 　ロックフェラー財団のACCグラントに合格。P.S.1インターナショナル・スタジオ・プログラムの奨学生としてNYに滞在（～1995年）。; 　個展「明日はどっちだ（Fall in Love）」（東京・SCAI THE BATHHOUSE）で、DOB君をメインモチーフにした作品を初披露。

1995年: 　海洋堂フィギュア原型師BOMEとオーガナイザー白井武士にフィギュア・プロジェクトへの正式参加を依頼。フィギュア・プロジェクト始動。

1996年: 　フィーチャー・インク（NY）での個展で、フィギュア・プロジェクト第1弾『Miss Ko2 Original (Project Ko2)』の等身大フィギュアを展示。; 　個展『DOB君、こんにちわ！』（キリンプラザ大阪）で、『Miss Ko2 Original (Project Ko2)』と同プロジェクト第2弾『Hiropon』を展示。; 　小山登美夫ギャラリー（東京）では、日本の古典絵画風の画面にDOB君を描いた『727』を発表。

1997年: 　フィギュア・プロジェクト第3弾、初の男性フィギュア『My Lonesome Cowboy』に着手。; 『Hiropon』を海外で初展示（パリ・エマニュエル・ペロタン・ギャラリー）。

2000年: 　「カイカイキキ・スーパーフラット展」（東京・ISSEI MIAKE[men]青山ブティック）にて、イッセイミヤケとコラボレーションした春夏コレクション「KAIKAI KIKI」と新作ペインティングを発表。この展示会のコンセプト準備中から「カイカイキキ」という言葉を使用するようになる。; 　『スーパーフラット』（パルコギャラリー渋谷・名古屋）をキュレーション。日本人のオリジナルな文化を読み解くというコンセプトに沿い、宣言文や作品図版を収録した『スーパーフラット』（マドラ出版）を刊行。「POP」＋「OTAKU」＝「PO＋KU」から、言葉として響きのよい「スーパーフラット」に変わっていく。

2001年: 　「スーパーフラット」展がロサンゼルス現代美術館ほか、ミネアポリス、シアトルに巡回。パリ、NYなどでも続けて個展が開催され、「POPの次世代」のコンセプトとして紹介された『LAタイムス』など、世界のアートシーンで話題を呼ぶ。; 　有限会社カイカイキキ設立。

2002年: 　クリスティーズNYにて、等身大フィギュア『Hiropon』が約4,800万円で落札される。; 　フォークデュオ「ゆず」からCDのジャケットデザインを依頼されたことをきっかけに、シングル「アゲイン2」のミュージックビデオやアルバム「ユズモア」などのアートワークを担当。

2003年: 　ルイ・ヴィトンとコラボし、2003年春夏コレクション「マルチカラー・シリーズ」のデザインを手がけるほか、LVのモノグラムをあしらった作品などを個展で発表。合わせてアニメーション『SUPER FLAT MONOGRAM』を制作、キャラクター『LVパンダ』のデザインを担当。; 　六本木ヒルズのオーブンに際し、イメージキャラクター『ロクロク星人』を手がける。; 　サザビーズにおけるオークションで『Miss Ko2』が約5,800万円で落札される。

2007年: 　アメリカの音楽プロデューサー兼ラッパー、カニエ・ウェストのアルバム「Graduation」のジャケットデザインやプロモーション・ビデオを担当。

2008年: 　NYサザビーズで『My Lonesome Cowboy』（1996）が約16億円で落札される。; 　藤原ヒロシとコラボレーションした展示会「Hi&Lo」（カイカイキキギャラリー、同展カタログも刊行）を開催。; 　「タイム」誌が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」に選出される。

2009年: 　ルイ・ヴィトンと新たなコラボレーション。マルチカラーの新作『MULTICOLOR SPRING PALETTE』を発表するほか、『SUPERFLAT MONOGRAM』（2003）の続編アニメーション『SUPERFLAT FIRST LOVE』を公開。

2010年: 　Twitter、Ustream、ニコニコ動画を開始。アカウント名は『takashipom』。; 　ルイ・ヴィトンとコラボレーションした新シリーズ『COSMIC BLOSSOM』発表。

2012年: 　東日本大震災後、いち早く支援の手を差し延べてくれたカタールへの感謝の気持ちを込めて『五百羅漢図』を制作。正統的な現代美術の文脈からの離脱を目指したという本作は、全長100メートルに及ぶ。

2013年: 　初の実写映画作品『めめめのくらげ』を監督。

2020年: 　六本木ヒルズとのコラボレーション「ROPPONGI HILLS TAKASHI MURAKAMI PROJECT」で、高さ約10mの金色に輝く巨大な新作彫刻作品『お花の親子』を制作。; 　「僕の作品はハッピーなキャラクター達がニコニコしているので、僕の人格や制作現場も朗らかなハッピーなモノと勘違いしている人が大半だが、夢の創造には本当に吐き気を催すほどの苦渋がいつも隣に居る」と、村上は語っている。

▼参照書籍

村上隆完全読本美術手帖全記事1992-2012 (BT BOOKS)

村上隆の五百羅漢図展 | 森美術館 |本 | 通販 - Amazon.co.jp

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