村上華岳（むらかみ かがく）は大正〜昭和初期にかけて活躍した大阪出身の日本画家。
宗教的妄想からうまれた自然の図や仏陀の図を得意とした。
代表作には 阿弥陀之図 夜桜之図 裸婦図 驢馬に夏草 観世音菩薩施無畏印像 などがある。
宗教的妄想からうまれた自然の図や仏陀の図を得意とした。
代表作には 阿弥陀之図 夜桜之図 裸婦図 驢馬に夏草 観世音菩薩施無畏印像 などがある。
村上華岳
むらかみ かがく
Murakami Kagaku
1888年〜1939年
大阪府
- 作家・作品ジャンル
- 1888年
- 大阪に生まれる。武田誠三の長男、本名は震一。
- 1895年
- 家庭の事情により、父方の叔母千鶴子の嫁ぎ先である村上家に預けられ、神戸尋常高等小学校に入学。
- 1901年
- 実父が他界し、実母は再婚後行方不明となり、武田家を嗣ぐ。
- 1903年
- 神戸尋常高等小学校高等科を卒業。京都市立美術工芸学校に入学。
- 同校入学に際し、五郎兵衛が「倅（せがれ）に画を習わせます。しかし、画でもって倅に衣食させることはしないつもりです。私は倅に別の方法をたててそれで衣食させます」と名言した話は有名。事実、十分な家作を残し、生涯生活のために絵を描く必要がなかったことについて華岳はのちのちまで感謝の気持ちを表している。
- 1904年
- 武田家を廃家とし、村上五郎兵衛・千鶴子夫婦の養子となる。
- 1907年
- 京都市立美術工芸学校卒業。
- 卒業制作は『羆（ひぐま）』。四条派の技術が感じられる作品に仕上がっている。
- 1909年
- 京都市立絵画専門学校入学。
- 1911年
- 京都市立絵画専門学校卒業。卒業制作として描かれた『早春』は、校友会展に出品。さらに、第16回新古美術展に出品して3等賞を受賞。第5回文展出品に際して『二月の頃』と改題し、褒状を受ける。
- 洛東吉田山の東北隅から銀閣寺方面を望んだ図で、四条派から出発しながら、華岳の清新な画心とその素直な自然描写、西洋的遠近表現の援用が作品に近代的で明快な印象をもたらしている。自然を愛し、その静かで穏やかな旋律に自己の技法を合わせてゆくなかにも、華岳の画家としての若く鋭い意思がうかがえる作品。
- 1913年
- 夜桜之図（京都国立近代美術館蔵）制作。
- 文化的爛熟を迎え、まだ幕末の擾乱（じょうらん）には間がある文化・文政期あたりを想定した、夜桜見物の町人たちの京都・平野神社における宴の情景を描いている。京都的な洗練に大阪的な浄瑠璃風の味を加えて、甘くおっとりしたコクのある画調を生み出しており、そこに華岳自身のもつ美意識が見事に結実しているのを見ることができる。
- 1914年の京都博覧会協会と京都美術協会の共催による全国美術工芸品博覧会に『平野』と題して出品され、好評を博したと言われている。
- 文化的爛熟を迎え、まだ幕末の擾乱（じょうらん）には間がある文化・文政期あたりを想定した、夜桜見物の町人たちの京都・平野神社における宴の情景を描いている。京都的な洗練に大阪的な浄瑠璃風の味を加えて、甘くおっとりしたコクのある画調を生み出しており、そこに華岳自身のもつ美意識が見事に結実しているのを見ることができる。
- 1916年
- 第10回文展で初の仏画『阿弥陀』が特選に選ばれる。
- 1918年
- 京都市立絵画専門学校の同窓であった入江波光、土田麦僊、榊原紫峰、小野竹喬、野長瀬晩花らと国画創作協会創立。画創作協会は、文展の審査のあり方に不信感を抱いた画家たちが旗揚げしたもの。華岳は、国画創作協会設立の理由書を起草し、麦僊の弟で哲学者である土田杏村が起草した「国画創作協会宣言書」にも加筆するまで積極的に動いた。
- 1919年
- 国展第2回展に『日高河清姫図』（東京国立近代美術館蔵、重要文化財）を出品。
- 「旅の山伏に懸想した娘が蛇体となって日高川を渡り、道成寺の鐘に隠れた山伏を焼き殺した」という道成寺縁起伝説に基づいた作品で、清姫が安珍を追って日高川に差し掛かった場面を描いている。淡い藍と藤色の辻が花染めの小袖に身を包み、かたわらに杖をうち捨てた清姫の、その激しい恋心は直接描かないところに、蛇身とならねばこの川を渡れなかったという深い悲哀を反語的に描いている。最も完成度の高い作品であると同時に、人間の内面表現として最も優れた作品の一つと言われている。
- 1920年
- 同協会第3回展に『裸婦図』（山種美術館蔵、重要文化財）を出品。華岳が生身の人間から、仏の世界へと移行していく接点にある作品である。
- 「あらゆる美と善を具へて完全な体相を示してゐる観音はかういふ意味から見て、人間の理想と憧憬とを形に表はしたものであって、中性ではあるが『久遠の女性』の一つとも見ることが出来るのではないか」と、華岳は述べている。また、「理想の典型」として描かれたこの作品は、「その眼に観音や観自在菩薩の清浄さを表はさうと努めると同時に、その乳房のふくらみにも同じ清浄さをもたせたいと願ったのである。それは肉であると同時に霊であるものの美しさ、髪にも口にも、将（ま）た腕にも足にも、あらゆる諸徳を具えた調和の美しさを描かうとした」とも言われている。同時に、娼婦の勁（つよ）く繊細な描線や背後の不思議な風景、画面を支配する感情にレオナルド・ダ・ヴィンチの影響が感じられる。
- 1925年
- 国展第5回に「松山雲煙」出品。
- 1923年に京都を離れて芦屋に住んだ時期の作品で、芦屋の背後に続く六甲山系の武庫（むこ）の山並みを描いている。子供のころから見慣れていて、時々筆にしたものであるが、真面目に山を描き始めた最初の作品であるという。
- 1926年
- 久迩宮家へ献上画を作成。以後一切の美術団体を離脱。
- 1930年
- 『墨牡丹之図』（京都国立近代美術館蔵）制作。
- 黄色の唐紙を巧みに生かし、葉は隅の濃淡だけで、花は墨の濃淡に混（こん）じたわずかの朱とプラチナドロによってたっぷりとした牡丹の潤いを見事に表現している。
- 1935年
- 所蔵家による「跏萼（かがく）会」主催の華岳展が東京で開催。華岳も講演をしている。
- 1939年
- 持病の喘息が悪化し、死去。
あい古物買取サービスでは
骨董品、古道具、美術品、コレクション品の
出張買取をしています。
骨董品、古道具、美術品、コレクション品の
出張買取をしています。
京都、滋賀、奈良、大阪、兵庫、三重、岐阜、愛知、福井を中心に、ご自宅まで出張査定にお伺い致します。※ 良品は全国出張買い取り可能です。
どんな些細な事でもかまいませんのでまずは一度お電話にてご相談下さい。
あい古物買取サービスでは骨董品や古道具のリサイクルを通して、古い文化を次世代に残し伝えるとともに、微力ながら持続・再生可能な社会作りに貢献したいと考え活動しています。
