書道具の遺品整理をご依頼頂きました。

写真のお品物は、古梅園の油煙墨「反弾琵琶舞」です。
菜種油を使用した最上級の油煙墨で、雁皮紙、鳥の子紙、絵画などに最も適しています。
油煙墨は、粒子が細かく、黒さが深く、光沢の強い良質の墨です。
「反弾琵琶舞」は、現在は製造されておらず、デットストックとなっています。
反弾琵琶舞とは、中国の敦煌の莫高窟の一一二窟の壁画で、宝冠をつけ、上半身を裸にし、胸飾り、
腕輪、足輪をつけた舞伎が、琵琶を頭の後ろで弾じながら、足を踏みあげ舞い踊る様子を描いたものです。
 
 
メーカー / 古梅園(こばいえん)
品名 / 反弾琵琶舞(はんだんびわまい)
製造年 / 1987年
サイズ / 縦 約16cm 横 8cm
重量 / 312g
 
 

古梅園(こばいえん)

固形墨の年間生産量の90%を誇る奈良の地で、安土桃山時代に創業し、今なお400年以上続く、
日本最古の墨作りの老舗です。
夏目漱石が「墨の香や 奈良の都の 古梅園」と詠んだことでも知られています。
江戸時代から、武家や公家、天皇家に、数々の用命の墨を製造しており、代々継承した秘伝の製法により、
上質の油煙墨を大切に守り続けています。
古梅園では「煤採り」から墨を製造しており、この「採煙」と呼ばれる製法で墨を製造しているのは
全国でも古梅園だけです。
墨は膠液にを混ぜて香料を加え、表面に艶が出てくるまで練り合わせ、乾燥させて作られます。
この練り上げるもみ作業は、恐るべき緻密さと根気を必要とし、中国や韓国などではすでに機械化されており、
自国で失われた墨の精度を求め、東アジアからの購入者が後を絶ちません。
長年培ってきた技術と製法を守り抜く古梅園の墨は、墨液が主流になった現代においても、
本物の墨を愛してやまない作家から絶大な指示を得ています。