生前整理を期に、骨董品の断捨離をされる事になったお客様に、出張買取をご利用頂きました。
 
写真にて紹介させて頂いているお品物は今回お譲りいただいた、陶芸家「塚本快示」の「白瓷牡丹文鉢」です。
快山釜の瓷は象牙のような温かみのある色合いをしており、艶と潤いのある美しい質感を見せています。
見込みには大胆かつ繊細な牡丹が模られており、清らかで爽やかな印象を与えてくれます。
口縁部は切り込みが入っており、6弁状の花形になっています。
決して派手な磁器ではなく、装飾性もあまりありませんが、青白磁には染付や色絵陶器にはない、
なんとも言えない魅力があります。
 
作家 / 塚本快示(つかもと かいじ)
作品名 / 白瓷牡丹文鉢(はくじぼたんもんばち)
サイズ /直径 およそ20cm  高さ およそ4cm
付属品 / 共箱
 
 

塚本快示 / つかもと かいじ

 
1912年に岐阜県土岐市駄知町の江戸中期から続く美濃焼きの窯元「快山釜」の長男として生まれました。
15歳の頃から父の元で陶芸を学び、21歳の若さで11代目として窯元を継ぎます。
 
1939年に古陶磁研究家の「小山富士夫」に師事し、1948年頃に小山富士夫が「陶説」(1941年1月号)に寄稿した
「影青襍記(いんちんしゅうき)」に感銘を受け、中国宋代の白磁や青白磁の研究を始めます。
戦後は、日本を代表する陶芸デザイナー「日根野作三」に師事し、クラフト風の磁器の制作するかたわら、

中国の「影青官窯」「磁州窯」などの古陶片を入手して研究し、素地や彫り、釉薬、焼成方法など、多くを学び、
中国宋代の技法の再現に成功しました。
 
中国唐時代の「邢州窯」や北宋時代の「定窯」の白磁、また北宋時代に「景徳鎮窯」で産した青白磁に迫る技術で、
その作品制作を手掛け、1963年の第10回日本伝統工芸展に「青白磁とちり大鉢」を出品し初入選します。
その後もさまざまな賞を受賞していきます。
 
1973年に岐阜県の無形文化財「青白磁」の技術保持者となり、1983年には白磁・青白磁の技術により、人間国宝に認定されました。
端正な成形、独自の配合の素地が半乾きのうちに片切彫によって彫花紋を入れた作品は、繊細で清らかな作風を見せました。
また、現代に息づく陶磁の制作を重視し、日用品の制作も積極的に行いました。
 
 
代表作 / 「青白磁彫花鉢」「白磁壷」「花彫文白磁合子」「青白磁大皿」
 
 
略歴
1912年(大正元年) 岐阜県の窯元の家に生まれる
1926年(昭和元年)   駄知町立尋常高等小学校卒業
          父の元で陶芸を学ぶ
1933年(昭和8年)  11代目として「快山窯」を継ぐ
1961年(昭和36年)   通商産業省Gマークに表彰を受ける
1963年(昭和38年) 代10回日本伝統工芸展で初入選
1964年(昭和39年) 米国カリフォルニア博覧会で金賞を受賞する
1965年(昭和40年) 第12回日本伝統工芸展で奨励賞を受賞する
1967年(昭和42年) モントリオール万博に出品する
1972年(昭和47年) 日本伝統工芸展で会長賞を受賞する
1973年(昭和48年) 岐阜県重要無形文化財「青白磁」保持者に認定される
1977年(昭和52年) 日本紫綬褒章を受章する
1979年(昭和54年) 日本陶磁協会賞を受賞する
1980年(昭和55年) 中日文化賞を受賞する
1983年(昭和58年) 重要無形文化財「白磁・青白磁」保持者に認定される
           土岐市名誉市民に推挙される
1984年(昭和59年) 勲四等旭日章を受章する
1990年(平成2年)   逝去

 

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